報告者 七沢智樹 

報告日 2019/05/05

netenでは、VRを使ったトランステック(Transformative Technology: 意識変容技術)を開発しています。

VRはここではない、どこかへワープするテクノロジーです。そのため、さまざまな応用が可能です。

その一つの方法として、他者の視点に立つことができるというVRの特性を使った技術やアクティビティーの開発しています。

他者と視点を入れ替える技術

他者との視点交換とは、主に以下の二つがあります。

  1. 他者と視点と交換するもの
  2. 三人称の視点から自分の映像を見るもの

視点交換に関しては、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科准教授の八谷和彦氏がアート作品「視聴覚交換マシン(1993)」として先駆的な開発をされています。

1993年時点では特殊なアートという枠組みだった「視点交換」は、現代では簡易的な一眼VRヘッドセットとFace Timeなどのビデオ電話の機能を使うことで容易に実現可能なテクノロジーになっています。

つまり、視点交換は既に存在する技術の組み合わせです。しかし、私たちは、これまでにない要素を「視点交換」に追加しアクティビティ化を行っています。

そのアクティビティは、意識の学習であり、心理的・精神的な成長のための視点交換を目的としたものです。

哲学の長年のテーマをテクノロジーが解決する時

哲学においては、「他者理解」や「自己と他者の関係性」、「自己と他者の統合」が昔から、そして今でも最重要テーマとして扱われています。

なぜならば、完全な他者の視点を私は持つことができないからです。そのため、他者視点の獲得は非常に重要なテーマになります。

もし他者の視点を自在に獲得することができるのならば、自己と他者関係性であり、自己と他者のコミュニケーションの問題は大きく改善する方向に向かうでしょう。

しかし、ここに関しての研究は、残念ながらあまり行われていません。だからこそ、私たちは研究を意義を見出して行っております。

これまでのモニター実験の経験上、このテクノロジーを使った他者と視点を交換する方法だと、単純に視点交換を行うことで他者視点を獲得するというわけではなく、三人称視点なども組み合わせることによって、徐々に他者視点というのが浮かびあがっていることが分かっています。

つまり、人間の他者理解というのは、カメラを切り替えるような単純なものではないことは分かってきています。しかし、他者との視点交換をテクノロジーに落とし込んで、アクティビティとして単純化した上で、そこからの気付きを脳内で統合して理解させるということが意識を次のステップに進めるために必要であると考えています。

具体的には視点交換の場合の脳の認識のメカニズムは次のようになると考えています。

このように、私たちは視点交換の技術による他者理解によって、人類のコミュニケーションに起因する様々な問題やストレスの原因を自分自身で解決し、より良く生きることに貢献するべく研究開発を行っています。


この技術は、次の技術をもとにしています。

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