報告者 渡邊真輝子 深沢孝之 大島英明 七沢智樹

報告日 2018/06/22

概要

neten Inc.が開発した、デジタル・メディテーション(d.M)は、日本古来の瞑想を最新のデジタルテクノロジーによって、進化させた瞑想法です。d.Mは、誰もが自然に、空間全体と同時に一点を捉える意識になる方法をとることで、メディテーション効果を高めています。それは、集中と分散を同時に成立させた状態といえるのです。本レポートでは、デジタル・メディテーションにおける視野と作用に関するメカニズムについて考察していきます。

目次

  1. はじめに
  2. 視野のメカニズム
     2.1. 中心視野と周辺視野の機能
     2.2. d.Mにおける視野
     2.3. d.Mの視野と作用メカニズム
  3. d.M体験者からの報告

1. はじめに

d.M Lab Report 002では、臨床マインドフルネスの基本的な心理効果と、瞑想中の開眼/閉眼の違いに関するd.M(デジタル・メディテーション)と臨床マインドフルネスの比較について説明しました。

今回は、d.Mにおける視覚メカニズムとして、フォーカスト・アテンション(※1)とオープンモニター(※2)が「同時に成立している」メカニズムを主に解説していきます。

2. 視野のメカニズム

2.1. 中心視野と周辺視野の機能

「視野」とは、目を動かさないままで見える範囲であり、視覚情報を取得できる範囲を指します。人間を含め、動物は視覚を通じて外界から情報を得ています。特に、動物は、危険を感知したり、動くもの(獲物)を認知することで視野をし、発達させてしてきました。

視野は中心視野と周辺視野 (※3) の2つに分類されます。

例えば、車を運転しているとき、人は「中心視野」で見ています。一般的に、物が一番よく見えるのは、この中心視野に入っている場合です。一方で、前を見ている時も、顔の横の方で何か動きがある場合、その動きを感知することが出来ます。これが「周辺視野」です。

中心視野により、物の形や色をはっきりと見極めることができます。一方、顔の横で手を動かした場合、周辺視野により、何かが動いていることはわかっても、指の数や手の姿勢までははっきりとわかりません。これは、中心視野(中心視)とは、網膜上で最も空間解像度が優れている中心窩およびその近辺領域で見る (※4) のに対して、周辺視野(周辺視)では、中心視以外の領域で見ることで、空間的解像度(形の知覚)や色覚の点で中心視野に劣る(※5) ためです。

近年では、1点に集中して「見る」のではなく、全体をとらえて広い範囲を「見る」ことが重要であるとされ、有効視野 (※6) を鍛えるトレーニング方法が視力向上、速読、能力開発、スポーツなどに応用されています。

(※1) 特定のことがら(呼吸、イメージ、色など)に注意を集中する方法
(※2) 認知したことがらをそのまま認識する方法 
(※3) 目を動かさないで一点を見る固視点を中心として、約30度以内の視野を「中心視野」それよりも外側を「周辺視野」と言います。
(※4) 認知科学辞典 p558。直接視とも言われています。
(※5) 認知科学辞典 p383
(※6)ヒトが眼を使い、生理的視野中心付近に固視点(注視点)を設けている際に外界から有効に情報を得られる範囲」のことで「周辺視野」の別称と言われています。

2.2. d.Mにおける視野

ここから、フォーカスト・アテンション、オープンモニター、そして、d.M時における視野について、図を参照して分析していきます。

【図1】は中心視野と周辺視野の視野範囲を表したものです。

【図1】中心視野と周辺視野 

【図2】は、フォーカスト・アテンションでの視野を表したものです。フォーカスト・アテンションでは、何か一つの対象物に注意を集中するため、図のように一点に集中した状態です。

【図2】フォーカスト・アテンションでの視野

【図3】は、オープンモニターでの視野を表したものです。オープンモニターは、何事にも固定されずに注意を払う方法で、視野は固定しない、分散した状態です。

【図3】オープンモニターでの視野

【図4】はd.Mでの視野を表したものです。全体を捉えながら、同時に鎮魂石(黒点)の一点を見ている状態となります。

 【図4】d.Mでの視野

一般的に、眼は注視している物体の動きを自動的に追従するため、対象物を見る時に、人の眼球はたえず動き続いています(※7) 。d.Mでは、鎮魂石を見ることで、その眼球の動きを一旦「止める」ことになります。

その結果、眼球の動きは、中心視野にある黒点(鎮魂石)のみならず、周りの空間に対しても止まった状態となります。さらに、d.Mでは、「黒曜石のみに集中する」という意識付けを敢えて行わないことで、視野全体をオープンな状態に保ち、視野から入る情報を意図的に選択しなくなります。

(※7) 追跡眼球運動(eye tracking movement)といい、「衝動性眼球運動 saccade eye movement」と「滑動性追跡眼球運動(smooth pursuit eye movement)」の2種類の動きがあります。

2.3. d.Mの視野と作用メカニズム

したがって、d.Mを行う際には、鎮魂石(黒点)のみに集中するのではなく、周辺視野にも万遍なく意識を分散させている状態になります。それは、空間全体と同時に一点を捉える意識といえます。

この意識状態は、フォーカスト・アテンションにおける特定のことがら(呼吸、イメージ、色など)に注意を集中している状態と、オープンモニターにおける認知したことがらをそのまま認識している状態の両方(集中と分散)が同時に成立します。その結果、d.Mを行うことで有効視野の拡大にも繋がっていきます。

3. d.M体験者からの報告

マインドフルネスをしていると視界がくっきりする、視野が広がるといった体験談がありますが、d.Mにおいても同様の事が言えます。

以下が、d.M体験者の感想です。

  • (d.Mを)繰り返すごとに、鎮魂石がくっきりと見えました。
  • とてもクリアになり見える景色が明るく感じた。とにかくスッキリしました。
  • 会場全体が明るくなるのを感じた。キリが晴れていく感じ。鎮魂石のまわりは何もないように見えた。
  • 終わった後は視界がすごくクリアになっていました。

中心視野と周辺視野とで同時に見ていくことで、有効視野が広がるd.Mは、視覚機能の最適化だけでなく、能力開発という側面も持っています。視界が鮮明になることに加えて、心や頭もクリアになるという体験談も寄せられています。

  • 頭がクリアになりました。
  • デジタルサポートもあり、心の隅々までクリアになった気分です。
  • 意識が明瞭になる。

d.Mの実践は、脳や、心身、思考にも影響し、そこからパフォーマンス向上にも繋がります。

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