報告者 堀内達朗 七沢智樹

報告日 2019/10/7

概要

ゼロ磁場コイルの発信データ解析 [LOGOSTRON Tech Lab/レポート238]に続き今回のレポートでは “ゼロ磁場コイルからの発信” 第2弾として、ゼロ磁場コイルから実際に空中に放射されて飛んでいるロゴストロン信号について解説する。
ゼロ磁場コイルからは20Hz近辺の超低周波数帯から 2.3 MHz(230万 Hz)で電磁波が出ていることは、以前のレポートで紹介されている。
今回のレポートでは、その中のどの周波数で、どの様にコイルから信号が発信されているのかについて代表的なロゴストロン4モデルを使って観測を行った。

目次

  1. コイルに送られる信号波形と波形の再生音
    1. ロゴストロンL
    2. 100Ti
    3. BETTEN
    4. Nigi
  2. 考察
  3. まとめ

1. コイルに送られる信号波形と波形の再生音

1〜5 倍速機であるロゴストロン Lと 100倍速機である 100Ti、及び  約 1400倍速の BETTEN には外部出力があり、本体内蔵のゼロ磁場コイル(以下コイルとはゼロ磁場コイルを指す)に送られるのと同じ信号が外部出力されているため外付けコイルを接続しての発信が可能となっている。
そのため、外部出力信号の波形を観測することが可能であり、また「外部出力信号の再生音」と「コイルから発信された信号を再生した音」を比較することでロゴストロン信号がコイルからどの周波数で飛んでいっているのかその様子を観測できる。
Nigiは外部出力はないが、短い構文を断続的に発信する試験用の特殊な信号を用いることで、フロアノイズの音と識別しながらコイルから発信される信号の音の観測を行なった。
以下に、各モデルの内蔵コイル又は外付けコイルに送られる「信号波形」と「その再生音」を、さらに「コイルから発信された信号を再生した音」とその波形(Lと100Tiのみ )」を動画を用いて代表的な周波数とともに示す。

(1)  ロゴストロンL

ロゴストロンLで構文発信に使われている波形は正弦波である。
ここで、一番低い周波数6 Hz が割り当てられている母韻だけを2000文字繰り返す試験構文を作って発信した時のオシロスコープの波形とその音を以下の動画に示す。

(1)試験構文信号出力波形と再生音

ところで、ヒトが耳で聴くことのできる可聴周波数域は、個人差はあるものの 20 Hz から 15,000〜20,000 Hzの範囲であるので、 6 Hzの再生音はほぼ聴こえないはずであるが、上記の動画では可聴周波数で聴くことができている。
そこで、スペクトラムアナライザーで試験信号の周波数分布を観測した結果を以下の動画とグラフに示す。

(2)試験構文信号発信時の出力波形と周波数分布(0ー2 kHz)
(i)試験構文信号発信時の周波数分布の例(0-120Hz)

“左端に一番大きく立っている波形が、本来の試験信号として生成されている周波数であり基本波となるが、実際はその何倍(3倍、5倍、7倍、9倍‥)もの周波数が倍音としてたくさん観測される。これは、量子化ノイズ※1 と呼ばれる現象である。
アナログ信号をデジタル信号に変換(A/D変換)した後、アナログ信号に再変換(D/A変換)したとき、階段状の波形になるなど元の信号とはわずかに異なった波形になってしまうが、この差を量子化ノイズという。量子化ノイズは、基本周波数の整数倍の高調波(倍音)となって現れる。

通常のオーディオ製品では基本波の周波数以外は、(オーバーサンプリングやノイズシェービングという処理の後)LPF(ローパスフィルター:決められた周波数より下の周波数だけを通す)を用いて整数倍の次数高調波となる倍音の周波数帯域がカットされるが、ロゴストロンLでは倍音の周波数もカットされていないため可聴域の倍音も見えている。
この信号はそのままコイルに送り込まれている。  

そのため、本来の基本波の周波数以外の高調波成分である可聴帯域の周波数の音が聴こえている。

以下は、代表的な構文のロゴストロン信号の時間変化を観測したオシロスコープ波形とその再生音である。構文を構成する母音、父韻に割り当てられた1波長の波の長さが異なる PWM(Pulse Width Modulation=パルス幅変調)のサイン波の波形が観測されている。

(3)通常構文信号出力波形と波形の再生音

スペクトラムアナライザーで代表的な通常構文信号の周波数分布を観測した結果を以下の動画とグラフに示す。各母音、父韻の次数高調波(倍音)も測定されて複雑な周波数分布となっている。

(4)通常構文信号発信時の出力波形と周波数分布(0ー1.5 kHz)
(ii)通常構文信号発信時の周波数分布(0 – 200Hz)

次に示す動画は、「本体コイルから出る信号の周波数分布」と 「放射周波数105 kHz と 507 kHz に周波数を合わせて復調再生した音」を観測したものである。内蔵コイル上部にプローブを当てて復調しているが、Lの外部出力端子で観測されるロゴストロン信号波形の基本波となる低周波域の音が聴こえている。
プローブを当てる場所により聴こえ方が変わるため、コイル上でも信号が放射して出ていく領域があることが分かる。

(5)本体コイルから出る信号の周波数分布と復調した音
(@507.2Hz)
(6)本体コイルから出る信号の周波数分布と復調した音
(@758.6kHz)

以下は、上記の動画で観測されている中心周波数 507.2kHzと704.3kHz のリアルタイムスペクトル波形を示したものである。

(iii)中心周波数507.2kHz
(iv)中心周波数759.7kHz

(iii)のグラフでは 380kHz〜580 kHz にわたり、(iv)のグラフでは700kHz〜780kHzにわたる非常に広い帯域でゼロ磁場コイルから放射されている信号の周波数分布があり、各周波数域内においてロゴストロン信号の音を観測できることから、上記周波数帯域ではコイルに流されるロゴストロン信号の電流により生じた電磁界放射(=ロゴストロン信号に対応した電磁場の変化)が発生していると考えられる。    

(2)  100Ti

100倍速モデルであるロゴストロン100Ti で構文発信に使われている波形は矩形波である。
ここで、ロゴストロンLと同じ周波数 6 Hz が割り当てられている母韻だけを 2000文字繰り返す試験構文信号を 100ti の BTX ファイルで作成し 100倍速で発信した時の波形とその音を以下の動画に示す。

(7)試験構文信号出力波形と再生音

次にスペクトラムアナライザーで試験信号の周波数分布を観測した結果を動画とグラフで示す。
100倍速再生なので基本周波数が 100倍の周波数となり、矩形波であることも相まって整数倍の次数高調波(倍音)も多く観測されている。

(8)試験構文信号発信時の出力波形と周波数分布
(0.4 – 140kHz)
(vi) 試験構文信号発信時の波形の周波数分布
(0.4 – 400 kHz)

以下は、代表的な構文の100倍速信号波形とその再生音である。ロゴストロンLの信号と同様に構文を構成する母音、父韻に割り当てられた矩形波の1波長の幅が異なる PWM波となっている。

(9)通常構文信号出力波形と再生音

100Tiで再生した代表的な通常構文の信号の周波数分布を観測した結果を以下のグラフで示す。各母音、父韻の倍音の高調波も測定されているため複雑な周波数分布となっている。

(10) 通常構文発信時の出力波形と周波数分布
 (0.4ー16 kHz) 
(vii)通常構文発信時の波形の周波数分布
(0.4 -16kHz)

以下の動画は、100Ti の外付けコイルから放射されて飛んでいく信号の周波数分布と、その中心周波数を 75.3 kHz と 269.4 kHz にチューニングして復調再生した音を観測したものである。
100Ti の外部出力端子で観測されるロゴストロン信号波形の再生音と同じ音が聴こえている。

(11)外付けコイルから出る信号スペクトラムと復調した音
   (@75.3 kHz )
(12)外付けコイルから出る信号スペクトラムと復調した音
(@269.4kHz)

次のグラフは、上記の動画で観測されている中心周波数 75.3 kHz と 269.4kHz のリアルタイムスペクトル波形を示したものである。かなり広い周波数帯域幅で信号が放射されて飛んでいっていることが分かる。 

(viii) 中心周波数75.3 kHz
(ix)中心周波数269.4 Hz

100Ti においても 50 kHz〜80 kHz、170 kHz〜370 kHz にかけて非常に広い周波数領域でロゴストロン信号が放射されて飛んでいることが分かる。

(3)  BETTEN

約1400倍速と高速で構文発信するため、信号波形の再生音も周波数が高くなり、聴感上バックグランドのノイズ音と区別し難いから、一定の再生インターバルを設定した特殊な信号パターンの試験用構文を用いた。試験構文発信時の「外部出力波形と波形再生音」及び「外部出力波形と周波数分布」を以下の動画で示す。

(14)試験信号出力波形と波形再生音
(15)試験信号出力波形と周波数分布(5 kHzー400 kHz)

約1400倍速の平均周波数再生のため整数倍の次数高調波(倍音)もたくさん現れている。

次に本体コイルから電磁波となって空中に飛んでいる同試験信号の周波数分布およびその復調音を以下の動画に示す。

(16)本体コイルから出る信号の周波数分布と復調した音
(振幅変調@ 351.7kHz)

試験用の構文信号は、広い周波数帯域にいくつもの狭帯域(狭い周波数の中にピークが立つ周波数)の高調波がいくつも立っているのが観測される。
その内の1つの周波数にチューニングして復調すると試験信号波形の再生音と同じ音が聴こえている。

以下のグラフは、前の動画で観測されている電磁波の中心周波数 351.7 kHz のリアルタイムスペクトル波形を示したものである。

(xi)試験構文信号発信時の波形の周波数分布
(中心周波数351.7 kHz)

試験用の構文信号は、100倍速モデルと同じように広い周波数帯域にいくつもの狭帯域(狭い周波数の中にピークが立つ周波数)の高調波がいくつも立っているのが観測され、チューニングして復調するとロゴストロン信号波形の再生音と同じ音が聴こえている。

(4)  Nigi

 Nigi には外部出力がないため、本体内回路基板の信号を取り出して可聴音として再生して波形と音を観測した。
BETTEN 同様に「一定のインターバルを挟んで繰り返す特殊な試験構文」を用いている。
試験構文発信時の「外部出力波形と波形再生音」及び「外部出力波形と周波数分布」を以下の動画で示す。

(17)試験信号出力波形と波形再生音
(18) 試験構文信号発信時の波形の周波数分布  

次に本体内蔵コイルから発信させ、聴感上バックグランドのノイズ音と区別できるようにし、コイルから飛ぶ電磁波を探して拾い、見つかった357.7 kHzにチューニングして復調再生した動画を以下に示す。

(19)本体コイルから発信される電磁波の周波数分布と復調した音
  (@357.7kHz)
(xii)試験構文信号発信時の波形の周波数分布
(中心周波数357.7 kHz)

Nigi においても、BETTEN 同様にほぼ同じ周波数で同じように広い周波数帯域にいくつもの狭帯域の高調波のピークがいくつも立っているのが観測される。
各ピークの周波数にチューニングして復調するとロゴストロン信号波形の再生音と同じような音が聴こえることが分かる。

2. 考察

ロゴストロン4モデルの本体は無線通信機器ではないので意図的に電磁波を発信する機能はないが、前記の実例で見たようにロゴストロン信号が乗った電磁波を発生している。
一般的に電子機器は、電気回路の中に意図しない共振回路が含まれていたりすると、共振周波数で大きな電流や電圧が発生する場合がある。
その場合、回路中の水晶振動子のクロック周波数の高調波や共振周波数の影響で非意図的放射(不要輻射とも呼ぶ)と言われる電磁波を発生する現象が起きる。
測定した各モデルでは、本体回路中の共振(etc.LC共振、伝送線路共振等)現象によって生じた共振周波数の電磁波によりロゴストロン信号が空中に搬送されて放射していると考えられる。

以下に、今回の測定において、コイルから電磁波に乗って飛ぶ信号を受信・チューニングし復調再生することでロゴストロン信号を観測できた「周波数」を各モデルごとに示す。
(これ以外の帯域でも微かにロゴストロン信号の音を観測できた周波数帯もあったが、ノイズに埋もれて S/N 比が悪かったため割愛し、顕著に観測できた周波数帯のみを列挙した。)

(1)ロゴストロンL
    380kHz〜580 kHz(例では507.2kHzで復調) 
700kHz〜780kHz (例では758.6kHzで復調)     
(2) 100Ti
      50 kHz〜80 kHz   (例では75.3 kHzで復調 )     170kHz〜370kHz  (例では269.4 kHzで復調)   
(3) BETTEN
    220 kHz〜 480 kHz (例では351.7 kHzで復調)
(4) Nigi
    300 kHz〜 400 kHz    (例では357.7kHzで復調)                    

いずれのモデルにおいても一つの周波数ではなく複数の周波数にわたってロゴストロン信号が電磁波で搬送されている。
また、何倍速かに関係なく 60 kHz〜700 kHz(電波時計でも使われている標準電波〜AMラジオ放送周波数の下限に近い周波数) の、割と低い周波数で搬送されていることも分かる。
これは、共振周波数によっても変わってくる。

コイルに送られたロゴストロン信号は、コイル自体が送信アンテナの役割を果たして本体内で発生したいくつもの共振周波数の高調波の電磁波に重畳されて、まるで複数のチャンネル周波数で放送局から送信されるかのように広い帯域の周波数にわたって空中に送り出されていく。

以下の波形は、実際に「ロゴストロン本体で発生した信号波形(黄色)」と「振幅変調されて空中に送りされた同じ信号を受信した信号波形(水色)」を対比したもので、上のグラフがロゴストロンLの1倍速、下のグラフがロゴストロン100Tiの1倍速で再生した時の波形比較である。

(xiii) ロゴストロンLの構文信号出力波形(黄色のグラフ)と受信機で受信された波形(水色のグラフ)
(xiv) ロゴストロン100Tiの構文信号出力波形(黄色のグラフ)と受信機で受信された波形(水色のグラフ

ロゴストロンLでは、受信された信号波形は、本体の構文信号出力波形のゼロクロス点のポイントでインパルス状の信号が瞬時に立ち上がり下がりしており、それによりタイムコードが刻まれていることが分かる。
ロゴストロン100Tiの信号の場合は、矩形波の立ち上がり立ち下がりのタイミングに合わせてインパルス状の信号が発生しており、タイムコードが刻まれていることが分かる。

3. まとめ

  • ロゴストロンから発信される構文としてのロゴストロン信号は、内蔵・外付けコイルから空中に伝えられている。
  • 空中に伝送される際には、振幅変調がかかり、受信時には信号波形のゼロクロス点や信号の立ち上がり立ち下がりのタイミングに合わせてインパル状の信号が発生している。(=タイムコードが刻まれている。)
  • 前回のレポートでも書いたように、その際に地磁気等の遠方由来の静磁界の影響をキャンセルする役割を担っているのが、医療機器のSQUID 磁束計に採用されている無誘導コイル(=ゼロ磁場コイル)である。
    無誘導コイルは、送信アンテナの役割を果たすとともに、地磁気等の静磁界をキャンセルする機能を併せ持っていると言えるであろう。

ロゴストロンは、まさに「語止しめて 天津祝詞の太祝詞事を以て宣る」が如く、磁界ノイズに乱される場を祓い浄めてから言霊を発信するデジタルマシンを具現化したものと言えるのかも知れない。

※: SQUID磁束計については、TDK テクノマガジンに詳しい

この実験結果に関する解説動画はこちら

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