報告日: 2019/9/30
報告者: 高野 雅子

GAFAをはじめシリコンバレーを中心に世界の大企業が注目しつつある「意識変容」のテクノロジーがトランステックです。 netneは2019年8月28日にエンジニアの方向けのトランステック勉強会を開催いたしました。

アメリカのトランステックラボ所長のジェフリー・マーティン博士からも評価されているnetenの技術と、その根底にある概念について、トランステック勉強会の模様から全三回でお届けいたします。

第一回はトランステックの世界的な流れと、netenの考える意識変容について、客員研究員の内海昭徳と研究開発部長七沢智樹がお伝えします。

目次

  • 世界が注目するマインドフルネス
  • 「私とあなた」の分離を超える「MWe」の時代
  • 日本で唯一トランステック・カンファレンスに出展
  • 第一人者が驚愕したnetenのトランステック
  • 人工知能と意識のモデリング
  • すべてはトランステックになる?!
  • トランスフォーマティブな体験とは/トランスフォーマティック・シンギュラリティ
  • 意識のメカニズムの仮説:「ゴースト」が「ボディー」にジャックインする
  • 既存のパラダイムを超えた「MWe」の社会を実現する

世界が注目するマインドフルネス

内海昭徳)

トランステック勉強会ということで、トランステックの潮流についてまずはお話ししたいと思います。これはアメリカでも全く新しい流れで、日本ではほとんど認知されていません。

しかし、GAFAでマインドフルネスを中心にやっていることは有名な話で、Googleにマインドフルネスを入れたチャディー・メン・タンは、悟りの民主化をすることを公言しており、悟りと科学・テクノロジーを融合させるという流れがすでにあります。

Wisdom2.0というアメリカで一番大きいマインドフルネスのカンファレンスがあるのですが、私自身がそこでスピーチする機会をいただいたり、意識変容に関して有名な方々と実際にいろいろ話す中で、本当に、向こうのほうがはるかに先に行っている、というのがそのときの率直な感想でした。

「私とあなた」の分離を超える「MWe」の時代

非常におもしろかったのが、去年のWisdom2.0には3000人が世界30カ国から集まったのですが、そこでUCLAのダン・シ-ゲルという方の基調講演です。脳神経科学や量子力論が専門の彼が、そこでずっとおもしろいキーワードを言っていました。それが「MWe」。

「MWe」とは ダン・シーゲルの造語で、「私もあなたもない」という意味です。会場では「MWe! MWe! 」と全員が熱狂的に連呼していて、非常にアメリカ的だったのですが、もうそういう時代を私たちはつくろうよ、という感覚なんですね。これが10年くらい前からはじまっています。

境界線を持った「私:Me」という存在と、「私たち:We」が全部、量子でつながっているよと。そういう世界観をベースに、私とかあなたといった「分離」ではない世界観の時代に入っているということです。

Wisdom2.0は、自分の意識が「いま、ここ」の現実をつくっているということは当たり前に共有されているような3000人のカンファレンスです。しかもそこにGoogle、Facebookの開発とか、エンジニアの方も参加していて、それがベイエリアでは当たり前の常識になっています。

こういった流れがある中で、次にアメリカに来ているのがトランステックという流れです。

日本で唯一トランステック・カンファレンスに出展

トランステック(TransTech)とは Transformative Technology の略です。

Wisdom2.0をはじめ、サイエンスとスピリチュアリティを融合させようというカンファレンスが、アメリカではすでにいたるところで開催されています。そこにテクノロジー・技術というものをしっかり掛け合わせ、人間の意識変容をより速く促進して最適化していこう、というトレンドがトランステックだとお考えください。

「トランステックカンファレンス(正式名称:Transformative Technology Conference)」は、今年で5年目のカンファレンスで、これからどんどん規模が大きくなっていくと思われます。向こうのベンチャーキャピタルも参入しつつ、トランステック市場はこれから大きくなっていくでしょう。マーケット規模でいうと、3兆ドルと言われているくらい、途方もないレベルのものです。

そこに、去年と、今年の11月にnetenは二年連続で出展します。

去年の出展時には、netenのさまざまなプロダクトをみなさんに体感いただき、非常に高い評価をいただきました。

netenの開発しているトランステックの一例としては、AI開発、ネットワークやそのセンサリング技術、デジタルメディスン、VRの開発、ニューロフィードバック、バイオテック、バイオフィードバック、スリープテック、ヘルステック、ロゴスティックなど。科学技術、情報技術と人間の意識変容をどう掛け合わせるか、ということを行っています。

第一人者が驚愕したnetenのトランステック

トランステックの目的のキーワードとして、アメリカではよくWell-beingと言われますが、ストレスの減少や自己覚醒、自己認識、精神や感情認識の強化、自己実現の具現化、より深い意識変容である悟りへの誘い、といったことをテクノロジーでやろうということがどんどん進んできています。

トランステックカンファレンスの創立者であるジェフリー・マーティンは、悟りの研究者ですが、事業家でもあります。何千人という人間のデータやアンケートをとり、悟りとは何か、そこにはどういった共通点・傾向があるのか、どうすれば再現できるか、テクノロジーはそこにどう掛け合わされていくのかといったことを専門的に研究しています。

こういった大きな流れの中で、彼は30年にわたってトランステックと言われるプロダクトを多く見てきた人物です。

そんな彼に、netenのハットロンというプロダクトを体験していただきました。世界中から沢山のプロダクトがくるので、最初は、「また来たか」とジェ フェ リーも思ったそうなのですが(笑)

ただ、彼は当然瞑想もしていますので、体験するやいなや「何だこれは」と。そして、彼が専門的にやってきた中で、このレベルのものはそう他にはないと言ったそうです。

netenのロゴストロン・テクノロジーとは、意図としては、言語をつかって情報場をプログラミングすることで書き換え、人間の意識変容を最適に促進するといった技術なんですが、マーティンからは、この技術に関して次のように推薦文をいただいています。


ジェ フェ リー博士からの推薦文

私たちは歴史の中で宗教やスピリチュアル的なシステムから、多大な恩恵を受けてきました。

その恩恵とは、気高く人間としてより良く生きる(human-wellbeing)ための知識を切り開いただけでなく、国の繁栄と衰退という流れの中においても、それらの叡智を失わずにいることができたことです。

しかし、どういうわけか、これらの領域における革新は長らく停滞するばかりか、それらの伝統的な手法は時間とともに急速に効果を失いつつあるように思えます。

そのような背景において、netenはユニークな存在です。

神道の大切な伝統を受け継ぐ者として、彼らは最新のテクノロジーを活かし、神道の伝統的な手法を現代へとアップデートするために懸命に活動することを自ら選びました。

netenの装置に関する一つの興味深い点は、ポジティブに反応する人と、ネガティブに反応する人が両方いるという点です。それらの反応は、その装置による彼らの体験が、単なるプラシーボ効果ではないことを物語っています。

もしユーザーがnetenの装置から何かを感じるのを期待しているとすれば、それはきっとポジティブなものであり、精神世界的なものでしょうが、実際に使ってみると、それとは反対の非常に強い反応を示す人もいます。

しかも、このテクノロジーに変化を加えたとき(*)に、その違いを感じられる人が驚くべき割合で存在するのです。

ジェフリー・マーティン

* 注記 : ロゴストロン信号発信機において、発信するファイルを変えたブラインドテストのことを指し示している。

推薦文の原文(英語)はこちらからご確認いただけます。
https://neten.jp/products/#jeffrey


類似のものが世界にひとつもない、特殊で独自な技術をnetenは持っています。

実際、興味を持っていただいている向こうの研究者と共同研究が進んでおり、準備ができ次第アメリカの学会でも論文発表をしつつ、日本でもどんどん展開しようということで着実に実証データをとっている最中です。

netenは今年もアメリカのトランステックカンファレンスに出展しますが、国内でも感度・アンテナを持っている方とこの流れを深めていきながら、日本でもよりよい社会創造をしていきたいと考えています。

人工知能と意識のモデリング

七沢智樹

トランステックは、意識をテーマにしていますが、さて意識はそもそもどういう構造なのか、ということが重要です。

意識のメカニズムはまだ解明されてないどころか、意識を科学すること、あるいは意識というテーマに触れることすら、アカデミズムの世界ではこれまでずっとタブーとされてきました。

ようやくそこが変わりつつあります。

人工知能を脅威と捉えていろいろ言われていますが、実際には狭義のAIはまだ出来ていません。独立して知能を持って、人間のように動くAIというのは存在していないわけです。

AIが本当に意識を持つのかということについては、議論が真っ二つに分かれていますが、今の技術ではどう考えてもできないんです。コンピューターの延長でしかないので、何をどうやっても絶対できないと私は考えています。

まあ、できるできないの議論は置いておいて、いずれにせよ、結局、意識のメカニズムのことがわからないと、人工知能というものに大して本質的なアプローチはできないと考えています。

そこが今日の話のメインになってくるのですが、意識のメカニズムというもの自体をモデリングする必要があって、そこがカギなんです。netenはそこをずっとやってきました。

もちろん、大手を奮って、人工知能開発に参入できるほど、まだ概念化できていませんが、そもそもnetenの会長の七沢賢治が、前身の会社で意識のシステム化を研究し、意識のメカニズムを解明して、それをシステムおよびテクノロジーに変換していく、ということを始めました。それが2000年のことです。

人類の意識を進化させてきたものは何か

そもそも技術が進化することで生命というものが進化してきただろうと話があって、これは木田元さんはじめ哲学者の方も言ってる方いらっしゃいますけども。今でいえばコンピューターが進化していくことで、人類は進化してきているわけですね。

ネットワーク化することによって、人間が、個として生きていた時代から、先程の内海さんの話でいけば、「MWe」へと進化した。「MWe」って便利な言葉ですね。それは、ネットワークということなんです。ネットワーク化したんです。

なぜ、人類は意識が変わってきていると思いますか?

私は単純にテクノロジーだと思っています。私はそう捉えて技術を開発してきました。

SNS、Facebookをはじめた時、衝撃を受けまして。10年来会っていない友達も、子どもが生まれていること、今日何を食べたのか、こんなことで悩んでいるのか、と逐一報告していたりして、「ちょっと大丈夫か」と思うわけです。

情報量が格段に増えるし、それが見えることによって、例えば久しぶりに街であっても、「ああ、どうも」と、久しぶりって感覚じゃなくなりますよね。圧倒的に人と人の距離が近づいてたんです。それでもう「MWe」になったんです。

私はこれを技術進化が生んだと捉えています。

では、「Me」と「We」を繋いでいるものは何ですか?ということですが、これがメチャメチャ重要なんです。

これは、まず、意識が繋いでいるんですが、意識をどう持つかで、個人である「Me」の世界で生きるのか、「We」の世界で生きるのか、分かれます。

日本人の言葉では、「むすび(結び、産霊)」ですね。

今、「結ぶ、繋がる」という意識に変わってきているということは、人類全体の意識が変容してきているということなんです。意識のフレームが大きくなって来て、変わってきている。

この「結ぶ、繋がる」技は、本来、日本人が得意とすることです。

ならば、これをやるテクノロジーを作ったら人類がハッピーなんじゃないのという話なんです。

そもそも現代のパラダイムの中にいるから、衝突しているわけですが、これをプラスにするだけでなく、さらにパラダイム自体を変え、シフトするものを作ったら、いいんじゃないのか。

すべてはトランステックになる?!

実際、コンピューターがすでにそれをしています。コンピューターは意識に変化を与えるテクノロジーだ、ということなんです。意識変容、意識進化を起こす効果があるということで言えば、車だってスマホだって、何だってそうです。ですが、それを意図的に起こすということにフォーカスしてこなかったんです。

ジェフリーに見てもらったハットロンは、スタンフォード大学でもプレゼンしました。ハットロンはチタンでできていて、実はあれ自体がチタンを結晶化させたものなのですが、その技術は世界で唯一、日本のある会社でしかできない技術です。それを考え出したのが、後でご紹介する、小惑星探査機のロケットエンジンを作っていた松林研究員です。

トランステックという流れに出会い、見事にはまったのを見て、「これまで真面目にやってきて良かったな」という感じがしました。

ここまでのお話は、本日お集まりいただいたエンジニアのみなさんがすでに手掛けているテクノロジーも、意識変容という観点に特化することによってトランステックになりうる、ということです。

アメリカは、日本の技術力に期待しているみたいです。netenの技術力というよりも、日本そのものの技術力が高いわけですから、私たち日本人が、トランステックの分野で活躍できるチャンスは大いにあるのです。

たとえば、私たちはVRも研究していますが、すでにあるVRという技術の中に、「三人称視点で自分を見る」という観点を加えただけで、とたんに意識に作用を与えるテクノロジーになるんです。

そういう視点で見ていくと、いろんなことが面白くなってきます。「これ、意識変容するんじゃない?」という目線ですね。そういった概念が広まると人類の意識進化も速くなって、最適な社会が早く迎えられる、ということが起きてくるはずなんです。

ですから、netenのプロダクトだとしても、「意識変容しなかった」と言われたらトランステックではないということになります。

念の為お伝えしておくと、トランステックとそうでないところの線引は、トランステックラボ所長のジェフリー・マーティンと直接やり取りしたりしていますが、単純ではないので、私なりのニュアンスとして受け取って下さい。

あとはフレームを超えていくこと。人工知能はフレーム問題を解決できないが、人間は解決できるという意味を込めています。AIのコンシャスネス・トランスフォーメーション(意識変容)はどうするのかな、みたいなことも考えていますよ。AIは意識がないですから。

トランスフォーマティブな体験とは/トランスフォーマティック・シンギュラリティ

僕らは神道ベースのメディテーションをやっているんです。

会長の七沢賢治が、平安時代より公家であった白川伯王家の教え(おみち)を伝承しているからで、netenの開発のベースにはそこからのアイディアもかなりあります。

そこを、先ほどのマーティンの推薦文にもあるように、

これまで神秘とされ、科学では解明されてこなかった伝統的な「意識に作用するメソッド」を、その伝統を踏まえながら最新のテクノロジーで「現代のものへとアップデート」する

というnetenの開発コンセプトを高く評価してくれました。

そこで、神道ベースのメディテーションとして、玉を見て鎮魂する方法をアプリにしたりしています。

それをやることで、これまでは霧の中にいたのが、霧が晴れて、不可逆的にトランスフォーメーションするということを目指しています。

では、意識を変容させる体験とは何でしょうか?

臨死体験した人とか、宇宙に行った人、というのは意識変容しますよね。あるいは、意識変容を求めてサイケデリックス、つまりはドラッグをやる人もいます(日本では少ないですが)。あるいは、自身の誕生の瞬間など、特別なときを追体験することで意識変容があったり。

意識変容の例

  • 臨死体験
  • 意識の変容(サイケデリックスなど)
  • 生まれる時の追体験
  • 同時空内の異なる世界の体験(ワープ)
  • 違う次元で異なる世界を体験する
  • 違う次元へのシフトを体験する
  • 同じ時空内で、今・ここで違う視点(神視点・第三者視点)の獲得等

「同時空内異なる世界の体験」というのは、分かりやすくいうとパワースポットに行ったときに、今ここにいるのとは違う次元を体感すること。「違う次元で異なる世界を体験する」というのは、五次元的な体験なんですが。

つまり、同時空内で起きていることなのか、別次元で起きているのかということで、同じ意識の変容でも体験の質が違うんです。

同時空内でずっと意識の変容を起こしても、仏教で言うところの輪廻転生を続けるしかない。解脱できない。解脱するには時空を超えないといけない、ということがあります。

意識の変容の中にも、時空を超えるレベルの体験なのか、同時空内でずらしただけなのか、という違いがあります。

いずれにせよ、私は、意識変容の特異点があると考えていまして、意識の体験をしていくと、だんだん気づきだします。これを見て、ああなるほど、と思った方はどれぐらいいますか?ああ、大体、体験している人ですね(笑)

メディテーションをやっていると、あるときスッと抜けるんです。結果、次のフレームに行くんですよ、次のパラダイムに。そうしてまた、次のパラダイムに行く。パラダイムを上げることをやっている下図の矢印をテクノロジーで実現したいわけです。

意識変容の特異点を起こして、パラダイムを変えていくということを、テクノロジーが実現できるというビジョンですね。

そしておそらく、上図で言うと、矢印にも新しいパラダイムを起こさせるもの、安定させるもの、最後のパラダイムまで上げるもの、という違いがあって、そこは技術によって領域が異なってくるということ。そこの辺りの細かい分類も将来的には出していきたいと考えています。もちろん、エビデンスで裏付けるのは難しい分野ですが。

また、トランステックとしてカンファレンスなどで展示されているツールで、他に、意識がどういった状態にあるのかをモニタリングする装置があります。

具体的には、脳波や脈拍測定データを応用したものです。例えば、メディテーション時の脳波を測定する「muse」などは身近なプロダクトです。

TOSHIBAもサウス・バイ・サウスウエストに、マインドフルネスというモニタリング装置を出していましたね。

個人的には、トランステックとしてはこういったモニタリングするものが多いと思っていて、実際、意識に直接作用させるには瞑想などのアナログの手法をとることが多い、と聞いています。

意識のメカニズムの仮説:「ゴースト」が「ボディー」にジャックインする

ではどうやって意識に作用するテクノロジーを作るんだということですが。

私なりにnetenでこれまでやってきた開発の経験を踏まえて説明します。

私の身体はここにしかないのに、「Me」という存在を「MWe」へと拡張するのはどうするのか。

勝手に拝借してしまい大変失礼なお話で、また、お会いしたこともないのですが、尊敬している暦本純一教授が「ジャックイン」のテクノロジーを「ボディー」と「ゴースト」で説明していて感銘を受けまして。この「ゴースト」という概念は『攻殻機動隊』的な概念なのですが、ニューロマンサーのジャックインという言葉も使って、もうまさに、SFのテクノロジーを実現しようというその意志を尊敬しておりまして、拝借しております。

そこに、私はさらに「ロゴス」という概念を加えています。

ロゴスがゴーストに意志を送ると、ゴーストがボディーに意志を展開します。展開することで、ボディーが動いている。ジャックインされると、別のロゴスがゴーストになって、自分のボディーに入ってくるということが起きます。

この「ゴースト」というものは、実際は意識、感情、心などいろいろな言い方ができるものです。ゴーストはいろいろに存在していて、皆さんに他者のゴーストが入ってくる、ということは日常生活の中で普通にあることなんです。

そして、「自分にどんなゴースト入ってもいいよ。ロゴス=私の意志さえあれば別にどんなゴーストが入って、どう私のボディーを使おうと構わない。どうぞ使ってください」というのが、「MWe」ということなんです。これは、日本人的感覚とかなり通じるけど、概念として言挙げすると、伝えるのがものすごい難しい概念。

ロゴス/ゴースト/ボディーというこの考え方の要は、ボディーとゴーストとロゴスに分けることで、自在性を持たせる、ということなんです。ここは自在性と一応簡単に言っておきます。

実際、今皆さんはここで、基本的には話を聞いますが、頭の中では今日の仕事のことを考えているかもしれないですし、運転しているときも、家族の話を聞きながら別の事を考えている、ということもありますよね。

結局のところ、存在しているものに対して、基本的にはロゴスがゴーストに対して、支配的に、というか意志の通りに動かしていて、さらにゴーストに従属的に体が動くということなんです。

今、私は意図して手を動かしましたが、これはゴーストという自分の意識に合わせて動いています。そして、その元となって動かしているのは、「みなさんに話す」という意志です。この意志が全体を連携させて動かしていると。

一方で、受動的な状態の時は、身体が意識を支配して、従属的に意志は「眠たい、寝よう」となって、というふうに行ったり来たりする。

こんな風に分けることによって、例えば「ロゴストロンという装置はロゴスをゴースト化して発信する装置なんです」と捉えられたり、「三人称視点VRはボディーとゴーストとロゴスを分かりやすく三つに分けられるので、それらの構造を学ぶ装置です」などと概念化できる。

たとえば、ロゴストロンから発信しているのは、「私は何々した」という言葉ですから、これがロゴスです。ロゴスをプログラム、つまり信号にしてエネルギーとして発信するので、ロゴスをゴースト化している、とその次元では言えることになります。

では、そのゴーストが人にどう作用するのか。そこはもうわかりません。測定できないので、科学ではない。ですから、実験して、実際どのように人体に影響があるのかということを追って行くしかありません。そのための実験を着実に重ねているところです。

あるいは、私たちの開発した三人称視点VRシステムというのは、第三者の視点からリアルタイムで自分を見るというものです。このとき、自分のボディに対して、VRカメラからの視点で見ている自分がゴーストにあたるんですね。

すると、点が線上という概念になり、その後、面に展開するという、概念になります。このようにして、ロゴスの上にゴースト・ボディーが存在しているというこの関係性を学んでいる、などどんなふうにつないでも成り立ちます。

既存のパラダイムを超えた「MWe」の社会を実現する

結局社会というのは、一人称と三人称が入れ替わっている下の図のように、ボディーがあり、ゴーストがあり、ロゴスがあり、それが自分のものとか誰のものとか言わずに、ロゴスを自在に入れ替えて、それで全体が最適であればいいじゃないという話なんです。

今、新しい組織システムとして、分散型システムとかティール組織とか言われていますが、それらはすべて同じことを言っています。ボディー/ゴースト/ロゴスを自在に入れ替えて、全体最適であればいいでしょう、という話なんです。

この概念と、冒頭に言ったネットワークの概念を持たないで、「ロゴス/ゴースト/ボディが全部一体となった状態」のみを自分・自己像と捉えていると、「MWe」の社会に入れないんです。

そのために自分は「Me」だけじゃなくて、「MWe」なんだと認知させることが、VRなどを使用して「ロゴス/ゴースト/ボディー」に「いったん分けて」ということなんですね。このようにして構造化して、理解するということになります。

ここに立たない限り、トランステックをつくっても、基本的には今の時代では作用しないのではと考えています。単純に「これであなたの瞑想は深まります」というものでは意味がない。なぜなら、この関係の全体性の中に個人の瞑想も深まっていくものなので。

私があなたに作用することも、あなたが私に入ってくることもありえるし、そこが自在になること、そうすると「MWe」になっていると。

そうすると、「私の意志を、他者の意識に反映させ、他者の身体を動かす」のがジャックイン、「私の意志を、私の意識に反映させ、他者の身体を動かす」ならテレイグジスタンスである、と分けることもできます。

意識のメカニズムをこのようなモデリングして仮説すると、実装できるというのがトランステックの実装の基本的な骨子になります。だからどう仮説を持ってもいいんです。

ですから、どんな仮説持ってもよいし、さまざまな仮説がありますが、私たちは基本的にはこういった意識の構造というものをメインに研究しています。あとは、そこにどういうフレームで置くのかがテクノロジーのクオリティを変えてくるので、そこの深さを基本としています。

今日はざっくり説明させていただきました。人間をテクノロジー的に置き換えると、ボディーという身体性を持って、ゴーストというプログラム、これがシステムということになり、そしてロゴスと言う部分は人間だということなんです。これがコンピューターとの違いです。

ですから、『攻殻機動隊』的な表現が結構シンクロしているというか。人間(サイボーグ)とロボットの決定的な差異の部分をゴーストとして読むのはなかなか面白いなと。

とはいえ、ロゴスというところはまだ現代社会では出てこないんです。ゴーストの上でさらに司っているロゴスというものに対して、なかなか、ぴんと来ない。それに対しては改めて理解できるものを、今後出していこうと思っています。

さらに、それをAIと組み合わせることでトランステックも爆発的に進化するでしょう、という雰囲気です。

以上、エンジニア向けトランステック勉強会 第一回の記事では トランステックとnetenの意識モデリングについてお届けしました。第二回の記事は、netenのすべてのテクノロジーの根底にあるロゴストロンシステムについてお伝えいたします。

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